五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

お守りマン

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お守りマン

僕はお守りマンであった。

受験前になると、必ずと言っていいほどお守りを買っていた。

貰ってきたお守りや手作りの頂き物お守りも含め全て「筆箱に付けていた」ものだから最大で15個程度となっており、初めて僕の筆箱をみた人は「こいつぁやべーww」と思ったであろうことは想像に難くない。

「神様仏様!まじで今年は医師国家試験に合格させてくれえええええ」と願いを込めてつけていたのだが、、、、何故か合格しないのである。

 

お守りは別に国試本番でこれまで勉強した問題をそのまま出してくれたり、お守り一個毎に試験の点数が10点アップしたり、合格ボーダーラインが爆下がりするといった効果はない。

冷静に考えるとそんな事はちゃんと分かっているはずなのに国試のカウントダウンが本格的に始まる晩秋になってくると、試験中に頭が真っ白になって混乱とミスを連発する「国試せん妄」どころか、国試『前』せん妄が起こって正気を失う。学問の神様がおられる神社でお守りをゲットしようものなら「これは合格るやつ。国試を受ける前から既に合格ですわ(`・ω・´)」とか考えて、そこで安堵と共に思考停止してしまう。

 

そこで、お守りの意味とは何なのか自分なりにちゃんと考えてみたのである。

お守りはきっと、試験に臨むその日までを穏やかに健康に生きる為のアイテムであってそれ以上でもそれ以下でもない。何か神がかった奇跡が起きることを期待する類いのものではなく、何も起きることのない平凡な毎日を過ごせたことに感謝するものなのである。試験で良い結果を残すのは毎日積み上げた自らの努力であって、神仏によるミラクルパワーなぞ無いのである。

五浪の境地の果て、私はお守りに関する考察をこの域にもってこられた自分自身に軽く感動している(☼ Д ☼) クワッッ!!!

ということで、もうお守りは買わない。

買うとしたら、試験まで病気をしませんようにという思いで買うぞ!と思っている。

神様を否定する気持ちは毛頭ないがまず己を信じ、周りに感謝し、毎日の努力を積み重ねる事に全力を尽くそう、そう決心を固くしたのである。受け身な考えの甘い神頼み思考は今日死んだのだ。

 

そんな強い思いの折、ふと部屋のすみっこを見ると、もう筆箱につけなくなった古いお守りの一つである「身代わりお守り」が少しほつれて、中に入っていたミニお数珠が一つぽろっと取れていた。

 

!!!!!!!!!!!

 

やだっ!神しゃまーーーー!身代わりになってくれてる!

僕の代わりに医師国家試験に落ちてくれたんや。

ありがてぇ、ありがてぇ。

誰も試験に落ちた人なんていなかったんや!

あー、よかった、なんだ。

あはは、そっか。明日からは研修医生活かあ。

今日はいい夢見れそー(˘ω˘)ルンルン

 

PS

いや、あの。。大丈夫です。ちゃんと勉強致します笑