政府による健康寿命を延ばそう計画
新聞記事で健康寿命や平均寿命、フレイルと言った言葉が入っている記事を見つけた。
医師国家試験の公衆衛生や加齢老年学の分野でも大きく関係するところなので、
同じく重要語句であるサルコペニアと合わせ、備忘録を兼ねてブログに残しておく事とする。
健康寿命と平均寿命の定義
健康寿命:元気な状態で制約なく過ごせる期間を表す
平均寿命:その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかを表す
ざっくりと、平均寿命=健康寿命+不健康な期間と表すことが可能
政府による健康寿命を延ばそう計画
2018年5月20日、政府は2040年までに健康寿命を3年以上延伸させる方針を固めた。厚生労働省によると平成28年の男性で健康寿命後から死亡するまでの「不健康な期間」が男性で平均8.84年、女性で12.35年もあることが分かった。この不健康な期間を縮小させることは一生涯にかかる医療費を抑制することに繋がることがわかっており、国としては早急に手を打ちたいようだ。
不健康な期間短縮への具体的な方策として、以下の三つが挙げられている。
1)がんゲノム医療の推進
がん患者の遺伝子変異を調べ最適な治療薬を投与することで不健康な期間の短縮を目指す。
2)疾病予防
住民が受けやすい検診の態勢づくりを整備して不健康な期間の短縮を目指す。
3)フレイルの予防
加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態をフレイルといい、これを予防する取り組み策を講じて不健康な期間の短縮を目指す。
3つのフレイルと健康寿命延伸への取り組み
フレイルは三つの要素に分かれており、政府はそれぞれに取り組みを計画している。
「身体的フレイル」に対する取り組み方針例
→食の研究開発、スポーツの推進(サルコペニア(様々な部位の筋肉量減少)の防止)
「精神心理的フレイル」に対する取り組み方針例
→高齢者に長く働いてもらう(認知機能低下の防止)
「社会的フレイル」に対する取り組み方針例
→高齢者の「通いの場」の充実などにより介護予防に取り組む。
→高齢者が安心して暮らせる住宅や交通の実現
さいごに
現在日本の総人口は約1億2000万人。老年化指数は220%、合計特殊出生率は1.45となっており日本は老いと人口減少の真っ只中にある。医師国家試験は社会背景を鑑みた問題も多いので、この分野の出題は今後も頻出であると思われる。
例えば、本日取り上げたフレイルとサルコペニアという名が初めて登場したのは110回医師国家試験からだが、111回、112回共にこれらのワードに関する出題がある。以下がその問題番号となるので気になる方はQBオンラインやネット検索などでご確認頂きたい。
【フレイル、サルコペニアに関する問題番号】
110G14 サルコペニア
111B40 フレイル
112A19 フレイル
112C28 サルコペニア&フレイル
112D37 サルコペニア
高齢者には健康寿命を延ばして頂いて、現役世代と共に手を取り合い日本社会を元気にする活力となっていただければと思う。年を重ねても新しい事に挑戦する「浪速のエジソン」みたく、僕も常に成長を忘れない奢らない人間でありたいと心がけている。
PS
浪速のエジソンのyoutubeみつけたけど、撮った方の笑い声めちゃ入ってる苦笑
んー、、、まあ浪速のエジソンて誰?という説明として雰囲気だけでも伝えられたらええかなと思ったので貼っておきます。僕個人的には、急須無しにお茶を飲める「おちゃっぱー」開発第四作目と五作目が好きです。何も考えずに童心に返って「あはは」ってなる。飽くなき探求心に脱帽です笑
参考ソース
産経新聞 政府「健康寿命」を3年延伸の方針 2018/5/20記事
https://www.sankei.com/life/news/180521/lif1805210006-n1.html
日本経済新聞 2017/7/27記事
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26HGD_X20C17A7000000/
Medical note フレイルとは?-身体的・精神的・社会的な脆弱化を指す
https://medicalnote.jp/contents/170127-004-VG
Medu4 公衆衛生2017ver