五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

ハイパーとハイポ

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ハイパーとハイポ

「はいぱー?はいぽ??なにそれ。。。」という感じだが

就職活動が近くなってくると医学生がよく耳にする単語の一つである。

簡単に言ってしまうとハイパーは来院する患者さんが多い忙しい病院を指す。

ハイパー病院と言ったりもする。

患者さんとして病院に来る人が聞いたら、なんか凄い最先端技術と

意識高い医者集団のいる病院のような響きだが

医者にとって忙しい病院というだけの話である。

沢山の患者さんが来られるということは

それだけ多くの疾患を学ぶ機会に恵まれるという事であり

それに伴い様々な手技も上達するだろう。

医者として大切にしなくてはならない部分である。

しかし仕事で拘束される時間はとても長い。

入院患者さんの採血をする為に朝7時には病棟に集合などという話も普通にある。

7時に集合ということは起床時間はもっと早いわけだが

ハイパー病院の中には病院の敷地内に寮を用意している所もあり

「玄関を出ても1分で病院に到着」したり

病院からの距離が近い為に電波が届き

「自宅でも病院のピッチを受信可能」という

スゴ技を繰り出すことも可能となっている。

 

逆に、ハイポは患者数が比較的少なくゆったりと出来る病院を指す。

ハイポ病院と言うこともある。

こちらは病院に来られる患者さんの数も比較的少なめなので

17時ぴったりには帰れないとしても残業が少なめだったり

勤務時間中に研修医の自習時間を設ける病院があったりする。

自習して給料発生とか天国すぎ大感謝である。

自分の時間を確保しやすいので

出産育児の為に当直などはちょっと厳しい女性医師や

じっくりと一人の患者さんと向き合っていきたい医者には良い選択肢となる。

その反面「若く体力のある内に沢山の症例を経験して成長したい。

多く吸収できるのは初期研修のうちである。」という考えの研修医にとっては

ハイポ病院は不完全燃焼になる可能性がある為、避けられたりする。

 

以上、ハイパー病院とハイポ病院に関して述べた。

高学年の医学生を悩ませるハイパー、ハイポ問題だが

どちらもそれぞれに魅力があり優劣をつけるといった話ではない。

働いて得た知識や経験を患者さんにしっかり還元できることが大切なので

ハイパー、ハイポ、どちらでも良い。

それに給料、病院へのアクセス、都市部か地方か、出身大学の関連病院か否か、

研修医への指導方針、給料以外の福利厚生、研究もできる所を探したいetc

ハイパーハイポ以外にも、どの病院で働くか考える材料は沢山ある。

自分のライフプランを考えた上で、働き先を決めれば良いだろう。