五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

いつも一緒にいてね

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13歳になる我が家のミニチュアダックスフント、セバスチャン

通称セバ

君が家に来た頃は、まだお婆ちゃんが生きていて

僕は医学部に入学すらしていなくて

取り巻く環境は今と大きく違っていたね

ずっとずっと変わらないのは

君がずっと僕の足下で嬉しそうにくっついて眠ること

 

ねえ、セバ

変わりゆく日常の中で、君はどんな景色を見ているの?

黒く艶やかな短毛は白い毛が目立つようになって

君もずいぶん年をとったなあとしみじみ思う

うー、って怒ることなんて今まで一度も見たことがない

人を見たら好き嫌いなく

しっぽを振って「撫でて」と向かっていく

短い単語なら結構な数の言葉を理解しているのも驚きだ

番犬には向かないけれど

穏やかで甘えん坊なお利口犬

怒らず穏やかにいること

誰にも態度を変えず誠実に向き合うこと

聡明であり続けること

セバの生き方は

人の世界でもとても大切な事だと

我が身を振り返る機会を与えてくれる

来年、僕が病院で働く事になったら

病院の近くにアパートを借りるので

君と会う回数は減るだろう

休みのたびに帰ってくるつもりではあるけれど

それでも君と会う回数は減るだろう

 

人より寿命が短いのはほぼ全ての動物に共通する

自然の理なのだけど

少しでも長く一緒に歩んで欲しいと思うのは

僕のわがままなのかな

・・・君も一緒にアパートに来るかい?

病気をしたり老いていくのは

見ていられないという人もいるけれど

老いがあるから若さの素晴らしさを知るし

病気を経験するから健康の有り難さを学ぶのだと

僕は思っている

老いも病気もきっとマイナスだけではない

うんと長生きしたあと

いつかくる君が亡くなるその時は

僕の足下でくっついて眠ればいい

いつも一緒にいてね

これまでも

これからも

ずっと一緒だ

ずっと一緒だ