五浪丸、合コンに特攻する 中編
五浪丸、合コンに特攻する 中編
5月某日スターバックスカフェにて
「みんな宜しく!今日は3対3での飲み会なんだけど、先にメンズで挨拶済ませとこうと思ってここに集合した訳です。」男幹事の一言に、僕は軽く頷いた。
合コン当日、幹事の提案により飲み会待ち合わせ場所にほど近いカフェにて事前に「男性陣だけ先に集まって」挨拶を済ませておくことにしたのだ。僕五浪丸と幹事とは知り合いだが、もう一人の男性と僕とは全く面識がないことが要因の一つだ。ちらりとその初対面の男性に視線をやり笑顔で会釈をすると
「どうも初めましてー!」
と非常に元気で爽やかな挨拶が返ってくる。外科志望だろうか。
(どの病院も外科系の先生方は体育会系が多いイメージ)
この初めて会った合コンメンバーの男性。
表情の読めない長い前髪でややうつむき加減、白いパーカーに白いパンツの出で立ち(どうしてそのチョイスになったw)であったことから、第一印象は映画リングに出てくるサダコの男性verという若干おどろおどろしい感じだったので(以後、サダオとする)爽やかな挨拶とのギャップに飲んでいた抹茶クリームフラペチーノを吹きそうになった。
ギャップ大事www
僕が「いや、こちらこそ初めまして。元気で明るい方なんですね。」
と返すと「ぃゃ。。あの、、、、ありがとう。」ともごもご。
キャラわかんねえ笑
ここで、男性陣のメンツをまとめておく事とする。
男幹事(イケメン度数80 どこに出ても頼れるモテリーダー。医師)
五浪丸(イケメン度数-20 孤高の5浪。病院でバイト中)
サダオ(イケメン度数40 リングに登場するサダコの男性ver。医師)
五浪丸だけが肩書きの面で下の方向に抜きんでていることが分かる。
僅かに残るちっぽけなプライドがちくりと痛むがそこは今更嘆いても仕方がない。
誰の指示でもなく自らの意思でこの場に立ち、合コンに臨もうとしているのである。
命知らずの特攻野郎であることに間違い無いが、宅浪の五浪丸が外に出るきっかけになればと声かけしてくれた優しい男幹事に感謝こそすれ、僕なんてどうせこの合コンで女子と仲良くなる事なんて出来ないんだと悲観的になり泣き言を口にするのは筋違いも甚だしい。
そもそも、合コンの成功率を皆さんはご存じだろうか。
ネット記事を3,4つ読んでみた所、その確率わずか4%
驚愕の数字である。
婚活365
http://konkatsu365.com/koikatsu/1663/
合コンで出会える確率わずか4%、20代の合コン離れの衝撃(ネオクラシコ)
http://moteoji.com/item2/3080/
合コンをきっかけにして付き合うのは超高難度な事であることは知っておく必要があるようだ。
なので、僕はこうやって新しく知り合うことの出来たサダオと親しくなったり、数ヶ月ぶりにあう男幹事と近況報告しあえる場が出来たその事がとても有り難く尊いことだと考え、この時点でとても満たされた気持ちになっていた。
日々の勉強から解き放たれる、ひとときの非日常である。
しばらく3人で談笑し十分に打ち解けてきたタイミングで男幹事がおもむろに左手の時計に視線を落とす。「あー、そろそろ移動するか。ここから飲み会の場所までは遠くないし5分くらい前には着くだろうけど遅刻すると相手にも失礼だしね。」と一言。さりげない気遣いの一つひとつにイケメンを感じる。
我々三人はカフェを出てほどなく今日の合コン場所になっているイタリアンバルに到着した。
するとお店の入り口でこちらに手を振る女性がいるではないか。
「あ、男幹事くん。早いやん!私らもさっき着いたところだよ。」
男幹事がすぐに反応し手を振る女性に話しかける。
「やあ、女幹事ちゃん!じゃあおれたちみんな、ほぼ同時に到着だね。全員揃っているわけだし中に入っちゃおうか。」
僕は女幹事ちゃんとその後ろにいる2人の女の子に目を向ける。
ざっとした印象だが
女性陣
女幹事ちゃん(可愛い度数90 なんか、女優でいそう)
女Bちゃん (可愛い度数90 なんか、女優でいそう)
女Cちゃん (可愛い度数90 なんか、女優でいそう)
ファーwwwwレベル高杉ーーっ!!wwwwwww
普通、めちゃくちゃ可愛い女性が3人もいたら嬉しいのかも知れないが、突き抜け過ぎている。スタートと同時に帰りたくなった飲み会はこれが初めてである。聞くと女性陣はみな某大手企業の受付嬢らしい。その美貌、なるほど納得。
「お客様、6名様ご来店でーす!」
イタリアンバルなお店に店員さんの無情な声が響く。
もう逃げ場は無い。
ずんずんと進む他の5人のメンバーに続き、僕も覚悟を決め歩みを進めることにした。
※次回、五浪丸合コンに特攻する 後編(フィナーレ)で合コン話はラストとなります。