五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

あなたがいた夏祭り

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あなたがいた夏祭り

あなたが天国に旅立ってもう何年もの月日が過ぎました

変わらず毎年この季節には神社の周りで夜店が並び

幻想的な提灯のぼんやりとしたあかりが

いつもの小道をこの瞬間だけ特別な小道に変えています

 

あなたの歩幅に合わせて一緒に歩くあの時間は

毎年必ずやってきて

それはずっと続くと思っていたあの頃

沢山の人や愛情がいつも守ってくれていたから

世界は優しくて淡い色をしていたのだと知らなかったあの頃

辛いことも勿論あったけれど

全ての夢は必ず叶うと信じていたあの頃

思い悩む事は、いつも自分のことばかりでした

 

毎年一緒に歩いた地域の小さなお祭りに

あなたはもういないけれど

昔からずっと変わらないお祭りのあの喧噪と雰囲気に

あなたがいるのではないかとふと錯覚してしまいます

 

空の抜けるような強い青と白が少し優しくなる夕凪の時刻

うだるような暑さが少しだけ和らぐ夏の夕暮れ時

あなたがお嫁に来て50年以上過ごしたこの町のお祭りが

今年もまた、やってきました

人を想う優しさや穏やかな心の大切さを教えてくれてありがとう

あなたを思い出しながら

一緒に歩いたあのお祭りの小道を

今日は少しだけ歩いてこようと思います