五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

医師の需要と国試合格率

 

医師の需要と国試合格率

 

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医師の需給推計

ソース: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180412-00000088-mai-soci

 

『「働き方改革」で医師の労働時間の上限を過労死の危険性が高まる週60時間に制限したケースでは2028年ごろまで医師不足が続くとの推計を厚生労働省がまとめ12日の同省検討会で示した』と毎日新聞が4月12日付けで報じた。

これだけ見ると、医師不足の現況を鑑み「医師国家試験の合格率はうなぎ登りや!受験者みんな合格や!」と小躍りしそうなものであるが、そんな訳はなく医師国家試験は医師不足のご時世でもきっちり10%が落ちる試験となっている。良きライバルであり同志である医学生たちはお世辞抜きに非常に優秀であり、勉強を少しでもサボってしまうと、あっという間に当落線上まで成績順位が下がるのは医学生全員が肝に銘じたほうがよい。

 

蛇足であるが、よく「90%の合格とかめっちゃ楽勝やんw落ちる奴やばww」とか言う方がいる。確かに90%という数値だけを見ると楽勝のように感じる。漢字検定を例にすると9級(小学生2年生修了程度)が合格率約90%、3級(中学卒業程度)は合格率約47%なのだが、この「%」という肌感覚だけで色んな試験を一様に比較するのは違うのではないかなと個人的には思う。(医師国家試験がすごいんだぞ!とかではなく、%で一括りにしないでほしいというお話)

 

漢字検定合格率記載 ソース http://www.kanken.or.jp/kanken/investigation/result/29.html

漢字検定各級の難易度ソース http://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree.html

 

回数別合格状況

回数

施行年月日

受験者数(人)

合格者数(人)

合格率(%)

112

30.2.1011

10,010

9,024

90.1

111

29.2.11~13

9,618

8,533

88.7

110

28.2.6~8

9,434

8,630

91.5

109

27.2.7~9

9,057

8,258

91.2

108

26.2.8~10

8,632

7,820

90.6

107

25.2.9~11

8,569

7,696

89.8

106

24.2.11~13

8,521

7,688

90.2

105

23.2.12~14

8,611

7,686

89.3

104

22.2.13~15

8,447

7,538

89.2

103

21.2.14~16

8,428

7,668

91.0

ソース:https://www2.tecomgroup.jp/igaku/topics/kokushi/112result/

 

実際の合格率を10年分見てみたい。前述通り医師国家試験合格率は約90%で推移し、10人に1人が落ちるというのがここ10年の流れで大きな変化はない。毎年約1万人の受験生がいるのでざっと1000人の浪人生が国試のたびに誕生することになる。客観的にみると合格率約90%なのだが、当の受験生にしたら去年よりも合格率は下がるのか上がるのか、合格率0.1%の変化でも関心事の一つになるのが正直なところだ。

2017年に実施された111回の国家試験合格率が低かったため、2018年2月実施済みの112回国家試験、そして来年実施の113回国家試験は合格率が緩やかに回復するだろうと言われているが、そんなことはお上の「厚生労働省医政局医事課」が決めることなので推測の域を出ない。確実なのは、我々受験生が本番で一点でもいい成績を取れるように日々勉学に勤しむしかないということだけである。

 

 

今日のまとめ

  • 2028年頃まで医師不足は続くらしい
  • 医師不足であるからといって医師国家試験の合格率が上がるわけではない
  • 医師国家試験と漢字検定9級は共に合格率90%だが、一括りに同程度の難しさとは言えない
  • 医師国家試験の合格率はここ10年概ね90%で推移している