五浪丸が伝えられること その2
五浪丸が伝えられること
その2
今回は「五浪していく過程で、家庭や周囲がどのように変化していくのか」を数回にわけてお伝えしたい。無論、このブログを読んで下さっているほぼ全ての人が五浪を経験せずに医師国家試験を終えて医師になっていく事と推測されるので「こうはならないぞ。」という単なる反面教師として参考にしてもらえたらと思う。
今回は「家庭の変化」について述べたい。
家庭の変化
そもそも、僕の家は裕福な家ではない。
医者の家でも有名実業家の御家柄でもない。
父親は、日本の景気低迷を憂う零細企業で日々リストラに怯える普通の父親だし、
母親は、パートで父親を支えつつ家事もこなす日本の典型的な母親だ。
そんなよくいる普通の両親ではあるが、僕にとっては日本で一番の偉大な両親だ。
医師になれず無駄な足踏みをしている僕を受け入れてくれる偉大で寛大な両親だ。
五浪として生き恥を晒す現在も、両親は変わらずサポートしてくれる。不合格となる度に「次は大丈夫だから。頑張りなさい。」と精一杯の激励をしてくれる。その短かな言葉に沢山の思いが詰まっているのは想像に難くないが、この子は真面目に勉強をしているという評価を両親が下している間は、不合格による家庭の変化は案外に少ない。
ただ、両親からの金銭的援助は浪人をする毎に徐々に減るので『三浪目くらいから、学ぶために、生きるために、バイトなどの金策が必要になってくる』のは覚悟しておいたほうが良い。
もし、あなたが不幸にも現役時代に国試不合格となり、一浪目で親が予備校の費用を工面してくれるというのなら、がっつり甘えて一回で結果を出さなければならない。予備校の費用は莫大であり、誰しもが何度も通える訳ではない。現時点で宅浪よりも合格率が高いのは確かであり、予備校に通えるその幸運に感謝し結果を出すのが最上である。
僕も予備校に通っていた時期があったのだが、残念ながらその間に合格を勝ち取る事が出来なかった。今思えば、予備校に通える幸運、純粋に勉強に打ち込める時間が潤沢に与えられる環境への有り難みを今ひとつ理解できていなかった。
バイトをすると勉強時間は確実に減ることになるので、この「バイトマン苦学生」の状態になる「前」に是非とも国試合格を掴み取るべきである。 一応断っておくが、バイトする受験生に難癖をつけるつもりはない。自分で働いたお金があるということは、精神衛生上も非常に有意義であるからだ。バイトでお金を稼ぎつつ、毎日の勉強は予備校生と同じくらいできれば勿論それがベストであるが、なかなかに難しいのが実情ではないだろうか。
今日のまとめ
- 親は何浪であっても真面目に勉強している間は最低限のサポートはしてくれる
- 親の金銭的援助は徐々に減るので、多浪生はバイトが必要になってくる
- 予備校に行くチャンスがあれば、是非ともそのタイミングで合格すべし