五浪丸 The final challenge

五浪丸の113回医師国家試験への軌跡

春夏秋冬犬

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春夏秋冬犬

 

我が家の愛犬、セバスチャン

通称セバは春夏秋冬と季節毎、年に四回自分の寝場所を変える

四季が分かるだなんて、なんと風流な犬だ!天才か!

と思ったりしたこともあったが

ただただ単純に

涼しい場所だったり

暖かな場所だったり

変わりゆく気温や湿度のなか

自由にエアコンのスイッチを押す事も出来ない犬としては

自分の快適な寝場所はどこかと

なんとかして理想に近い寝場所を探しているだけで

実は死活問題だったりするのかもしれない・・・

今は冷静にそう思ったりする

 

さて

セバの夏の寝場所は風の通る網戸の前なのだが

今朝、彼を見に行ってもそこにいないではないか

下に敷いているタオルケットと共に

忽然とその姿を消している

これは秋ポジションに変わったか!と思い

秋の寝場所を覗くと、、、、いた!

彼の秋の寝場所は2階と3階の間にある踊り場である

フローリングの床にタオルケットを綺麗に敷いて

気持ちよさそうに寝息をたてていた

 

そうか、秋がやってくるか

 

本当は秋も冬も大好きな季節で

朝の澄んだ空気は見える景色を凛とさせるし

黄色や赤の木々の色は街を素敵に彩るアクセントになる

この時期からちらほら増える

ハロウィンのイベントや冬のイルミネーションにも

よく友人を誘って出かけていたっけ

国試が自分の上にずんと重くのしかかってからは

寒くなってくるこの季節を

素直に愛せなくなってしまったけれど

いつかまた素直にこの季節を喜べる日が来ることを

心の中ではずっと願っている

 

絶っっ対に今年は医師国家試験合格する!!

春はお世話になった方々にお礼の挨拶巡りやー!!

秋初日ということで

「脳内妄想における富士山頂(笑)」で絶叫した

軽く危ない人ではあるが

脳内なので近所迷惑にもなっておらず問題ないだろう

ふと現実に引き戻されてセバを見ると

尚、寝息を立ててすやすやと夢の中だ

 

セバが告げる秋の訪れ

一度彼が寝場所を変えたので

今年、彼が夏の寝場所に戻ることはないだろう

9月最後の日

夏が終わった日

最後の医師国家試験まであと、131日

 

宗教と種無し柿

 

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宗教と種無し柿

昔、宗教に熱心な子と付き合った事があった。

僕はと言えば正月には仏教徒になるし

クリスマスにはキリスト教徒になる

所謂、何でもありの典型的な日本人だ。

自分の信じる以外のものも頭ごなしにけなさず

できるだけ穏やかであってほしいなあ位は考えるが

基本、誰が何教推しでも全然良いと思う。

だからというわけではないけれど

宗教に熱心だったその子

何の宗教をやっていても僕は別に気にならなかった。

その子が信じる何かをとやかく言う権利は僕にないし

特定の宗教に対して何の思い入れも無い僕としては

逆に、盲目的に何かを信じられる事がどこか羨ましくもあった。

 

彼女の素敵だったところは二点ある。

一つは自分の価値観を押しつけてこなかったところだ。

彼女は自分の気合いでどうにかなるのは自分だけで

他人の心は自分の気合いではどうにもならないことを知っていた。

勿論そういう考えが初めから備わっていたものではなく

生きてきた経験則で学んだことなのかも知れないが

それはとても潔く、一緒にいてとても居心地が良かった。

付き合っていた間、宗教に勧誘された事は一度も無かった。

 

二つめの素敵ポイントは

種のある柿は嫌いで

種無し柿は大好きだったところだ。

僕も全く同じだったので

お互いの「共通項」を見つける事が出来て嬉しかった。

しかし話していると筋金入りの種無し柿好きで

有名なブランド種無し柿の名前や形の違い

糖度やそれぞれの大まかな値段などなど

種無し柿好きの僕も余りにガチ過ぎて笑ったのを覚えている。

種無し柿についてあそこまで目を輝かせて話せるのは

あの子をおいて他にいないだろう。

 

一緒に歩んでいく人と末永く上手にやっていくコツは

この「共通項」をいくつ積み上げられるかに

かかっているような気がするのは僕だけだろうか。

種なし柿しか共通項がなかった僕らは

これから先を一緒に歩んで行くには少し繋がりが弱すぎて

結局二,三ヶ月付き合ってすぐに別れてしまった。

でも。

自分の価値観を人に押しつけず

自分の気合いでどうにかなるのは自分だけだという姿勢も

種無し柿に対する熱い熱い情熱も

本当に凄いなーと今でも思っている。

 

種無し柿を食べると今でも時々あの子の事を思い出す。

今も元気かな。

元気だといいな。

 

のりきってやる!(無理だった模様)

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ご報告

今週は私事が重なって忙しく、ブログを更新できませんでした。

心のオアシスである皆さんのところへの

ブログ旅もあまりできておりません。

2日後からは、再び3,4日に一回の更新で

ゆるくブログ続けたいと思っておりますので

どうぞよろしくお願いします。

月に一回くらいこんな感じになってるなあ。

いや!気のせいですね( ˘ω˘ )キノセイナンジャ...

 

週初めのぼく

今週は忙しいが、みんな頑張ってる。みんな忙しい。

自分だけしんどいと甘ったれたらあかん!

このノルマを乗り切ったら、きっと全部上手くいくはず!!

壁を突破するんや!!ここが正念場!!

 

週終わりのぼく

「むりwww」

 

まだまだ修行が足りないようです。

皆さんをお手本に気合いを入れ直したいと思います。

「また来週からよろしくお願いします」の連絡でした。

 

インフルエンザワクチン

 

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 インフルエンザワクチン

13歳以上の人はワクチン打つのはその年1回だけにしましょう。

2回打つ必要はないというのを知って下さいね。

厚生労働省はインフルエンザワクチンの接種回数について

先日、都道府県を通じて医療機関に上記の内容を通知した。

接種が2回必要なのは免疫力が未熟な13歳未満の小児であり

13歳以上は1回のワクチンで効果が期待できるのだが

ワクチンを作っている会社が13歳以上に対しても

『接種回数を1~2回必要』とこれまで説明してきたことが原因で

健康な大人でも「2回必要なの?じゃあ2回受けとくわ」と

不必要に接種をし、前年度はワクチンが不足した地域があった為だ。

 

今季は例年より多い約2650万本(大人5300万人分)のワクチンが

準備される見通しだが全国で安定的な供給を確保するために

適切な接種回数の徹底をさせたいようである。

 ところで。

「インフルエンザワクチンのもと」は鳥の卵の中で育てるので

昔は卵アレルギーの人にはワクチン接種は控えて頂く傾向にあったが

現在はワクチン精製技術の進歩から

卵アレルギーの方にも接種可能になっているようだ。

アメリカでは現在、卵アレルギーとインフルエンザワクチンによる

アレルギーはそもそも別物と考えられている。)

医療技術や知識のアップデートは日進月歩だなあと感じた瞬間である。

 

僕は小学生並に注射が嫌いなので

インフルエンザワクチンの接種は

出来る事ならしたくないというのが本音だ。

ふとネットを検索すると

「注射の筒と注射針の歴史」というサイトに

痛みを軽減させることを目的とした

極細針技術の発明と開発という項目を見つけた。

医療技術の日進月歩、ここにも来てるー!!と思ったら

開発は未来って書いてあるではないか笑笑

未来て、、漠然としすぎワロタ

痛くない注射早くきてくれええええええ!

歯医者にはあまり痛くないドリルみたいな注射あるのに!

病院にもはやくー!

冬までに完成してえええええええ!と思いながら

やがて来るインフルエンザワクチン接種の季節を

僕は震えながら待っている。

 

 

まとめ

●インフルエンザワクチンの接種は13才未満は2回、13才以上は年一回でOK

●昔は卵アレルギーの人はワクチンを控えていたが今は接種してもOK

●五浪丸は注射が嫌い

●極細針技術の発明と開発は未来に託された

 

参考URL

ヨミドクター 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180914-OYTET50005/

厚労省インフルエンザQ&A

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

おかのこどもクリニック

http://www.okano-kodomo.jp/faq/faq.html#a_3

インフルと卵アレルギー

https://www.tepika.net/column/vol78.html

シリンジと注射針の歴史

https://www.bdj.co.jp/diabetes/support/history.html

mtm先生

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mtm先生

今日は国家試験を受けた日の出来事を一つ述べることとする。

僕は一年だけテコムという医師国家試験予備校に通った事がある。

そこの看板講師であるmtm先生は

名前だけなら、たとえテコムの講座を受講していなくとも

ほぼ全ての医学生が知っている位の有名人だ。

普段は東京におられるmtm先生だが

医師国家試験の時は大阪や東京など主要な受験地に

生徒の激励に来てくれるのが毎年の恒例となっている。

 

有名講師による激励は別にテコムに限ったことでは無く

例えば他の予備校、メックのksr先生も大阪会場入りしていて

実際に(ほんの少しではあるが)話をした事がある。

僕は予備校メックとは全く関係無かったのだが

ksr先生の近くで、わああああああ本物や。ともじもじしてたら

「大丈夫!いつもの講義の内容を思い出すだけ。」

と言って握手して下さった。

「有り難うございます!ちゃんと思いだします!!

(メックの講義1コマたりとも受講してない笑笑)」

握手して頂いた満足感に浸りつつ

よし!次は我らがmtm先生に気合いを入れてもらおう!

と思いきょろきょろ近くを見渡すも

・・・・mtmいない(´・ω・`)ションボリ

大阪会場入りしていたテコムの事務スタッフの方に聞くと

「ああ。。。mtm先生は電車の遅延で遅れてるから

試験開始には間に合わないわ。ごめんね。」と回答があった。

・・・・遅延www幸先良し!(良くない)

 

午前の試験を終え、お昼にもう一度テコムのスタッフの所に

「mtm先生は?来た?」と質問すると

「あんたらどんなけmtm先生好きやねん笑」と笑われたあと

「なんか、電車遅延したから帰ったらしい。

申し訳ないけれど、今年の激励はないわ。」

とまさかの一言をスタッフから頂いた。

え?!???!!wwwwwwww

ち、、遅延したから帰るとかそんなんある?wwwwwww

帰っちゃったてw東京に?wwwww

わざわざ大阪まで来て、あと一歩で会場なのに?ww

まじか。電車の遅延で帰っちゃうmtm先生半端ねえわ。。。

 

とはいえ。

激励の有無に関わらず試験を頑張ることに変わりはないし

「mtm先生は?」とか言ってないで

その数分でも数秒でも、必死で参考書やノートの

復習をするのが本来受験生のあるべき姿なのかも知れない。

もう今はテコムと全く関係無くなってしまった僕だけれど

合格したら挨拶には行きたいなと思っている。

「覚えておられますか?ようやく合格することが出来ました」

笑って話せる春が来るように、今日も僕は机に向かうのである。

 

まとめ

○医師国家試験では有名講師が会場まで激励にきてくれる

○メックのksr先生は優しかった

○テコムのmtm先生は電車が遅延したら帰る

 

 

 

 

患者さんの病院満足度

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患者さんの病院満足度

病院に満足している外来患者は59%に上り過去最高を更新した

ことが今月4日、厚生労働省の2017年の調査より分かった。

調査は3年に1回のペースで継続的に行われており

今回は17年10月の指定された1日に全国490病院で実施。

入院・外来の患者計約14万7000人から回答を得た、とある。

ソース:ヨミドクター2018年9月5日記事より

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180905-OYTET50005/?catname=news-kaisetsu_news

 

・・・・・・・・・・。

最初、見出しの患者満足度59%という数字に

「あら、少ないな。患者さんの不満や改善希望をちゃんと聞いて

日本全国規模で素敵な病院が増えるように変えていかないとね。」

と思っていたら満足度過去最高のようだ。

どうやらこの59%という数字はお手柄ということであるらしい。

仮に飲食店や携帯会社で「なんと!顧客満足度59%きました!(バーン!)」

などとアナウンスされることがあれば

「え・・・う。。うん?w」と戸惑いが生じそうである。

病院には凄いクレーマーな物言いの患者さんがいて

低評価を連発することもあるかも知れないが

飲食店や携帯会社など、どこにでもそういう人は一定数存在しそうだし

クレーマーのせいで59%に落ち着いたというわけではないだろう。

 

患者満足度を厚労省が調べている事実があるのだから

患者さんからの評価は国としてある程度気にはなるようだ。

(患者なんてどうでもいいや!ということであれば調べないだろうし)

59%の満足度をどう捉えるかは個々人の感覚なのだとは思うが

僕はちょっと少ないのかなと感じた次第である。

病院という場所が、患者さんのフラストレーションを溜める場とならないよう

医療人になる者として考えなければならないと思い

今回この記事を備忘録も兼ねて扱った。

国として、よりよい医療の場を作る足がかりとしての調査であれば

素晴らしいことだなと思うし、そうあってほしい。

厚労省の感覚と一般国民の感覚に、乖離が無いことを願うばかりである。

小さな女の子

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小さな女の子

「ねぇ、うんちしてるの?」

背中にまだ真新しいランドセルを背負う女の子が

屈託の無い笑顔で僕に問うた。

 

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飼い犬のセバと一緒に夕刻の散歩にしゃれこむのが

僕の日課となっている。

その日も変わらずてくてくと1人と1匹で散歩をしていた。

セバがいつものお決まりの場所で

「うんちんぐスタイル」の構えを見せたので

僕は阿吽の呼吸でビニル袋とトイレットペーパーを取り出す。

そんな折かけられた言葉が冒頭の

「ねぇ、うんちしてるの?」である。

セバは既にお尻に全集中力を注ぎ

今まさに、と言った所であったが

見知らぬ女の子の熱視線に気づき

「!!!」みたいな戸惑いを見せたあと

スッと立ち上がり少しおしりをひくつかせながら

まだ大丈夫なフリをしてすたすたと歩き出した。

 

僕は女の子に先ほどの「ねぇ、うんちしてるの?」の問いに対し答えた。

「そう。うちの犬、うんちしてたんだよー。

でも君もおトイレを見られたら恥ずかしいでしょ?」

「うん、恥ずかしい。」彼女は首を縦に振って笑った。

「でしょー。多分ね、うちの犬も恥ずかしくなって

途中でおトイレするのを止めたんじゃないかな。

人間も動物も恥ずかしいのは一緒なのかな。なんだか面白いね。」

僕が彼女に言った。

「あー!そっか。じゃあ、うんちの時はあんまりじーっと

見ないようにする!じゃあまたね。」

ひらひらとこちらに手を振ってその子は駆けていく。

駆けていったその先には、母親らしき女性が一人。

 

「わんちゃん見てきたー!」とさっきの子どもが母親らしき女性に言う。

「そうなの。どんなお話してきたの?」

「うんちしてるとこを見られたら恥ずかしい?」

ってあの人に聞かれた。

笑顔と共に指すその女の子の指は

僕の方をまっすぐ向いている。

え、ちょっwwwwwwwwwww

敢えて伝えるのそこ?wwwwww

そこだけかいつまんで話したら

僕はまごうことなき変態じゃあないか。

子どもの「場面と言葉のチョイス」に

一定のセンスを感じはするが、僕は焦った。

 

小児科でも同じだが、子どもは言葉足らずな事が多い。

病気をして病院に来る子どもたちは自分の不調を

「いつから、どこが、どのように」辛いのかを

具体的に伝えるのが苦手な事が多い。

なので医療者側の方が周囲で見守る親御さんや

保護者とのコミュニケーションをしっかりとっていないと

判断に間違いが生じる。

いつだって、子どもとの信頼関係と同じくらい

親御さんとの信頼関係も大切にしなければならない。

しかしこれは医療現場の事だけではなく

このような犬の散歩の場面でも同様だと感じた。

親御さんが近くにいようが遠くにいようが

不審がられないような態度や言動に努め

できれば会釈くらいの挨拶を交わしていれば良かったのかも知れない。

頭の中でぐるぐるぐるぐるとそんな事が駆け巡っていた。

幸い、この親御さんは僕と女の子との会話や様子を

見てくれていたようで事なきを得たが、こんなご時世である。

一瞬肝を冷やしたのは言うまでも無い。

 

最近の小学生は「知らない人と話さないように」と

学校で徹底されているらしいので

あの女の子は、かなり人なつっこい方なのかも知れない。

そのコミュ力と動物好きを発揮して

これからも元気で優しい子に育って欲しいなと

セバと一緒に歩きながら一人考えていた。

 

少し早くなった日の入りの時間。

うろこ雲がちらほら見える大阪の空。

秋の気配を感じるある日の散歩道のおはなし。